園芸雑学

いちごのランナーを切るタイミングと失敗しない子株の育て方

いちごのランナーを切るタイミングと失敗しない子株の育て方

※当ページのリンクには広告が含まれています。

家庭菜園などでいちごを育てていると、株の根元から細長いツルがたくさん伸びてきて、「このツル、このまま伸ばしておいていいのかな?それとも切ったほうがいいのかな?」と迷ってしまったことはありませんか?
せっかくなら、そのツルを上手に使って、来年用の元気な苗も育ててみたいですよね。

実は、この細長いツルのお手入れ方法ひとつで、今年のいちごの甘さも、来年の収穫量も大きく変わってくるんです。
この記事では、収穫の喜びをアップさせつつ、翌年への準備もしっかり整えるためのお手入れのコツをわかりやすく解説していきます。

いちごのランナーを切るタイミングと失敗しない子株の育て方の基本

まずは、いちごの成長サイクルに合わせた、基本的なお手入れの流れについてお話ししていきますね。
季節ごとにやるべきことが少し変わってくるので、一緒に整理していきましょう。

収穫中と収穫後で管理方法が違います


いちごのお世話をするとき、一番の基本となるのが「今のいちごがどの時期にいるか」を見極めることなんですね。

大きく分けると、いちごのお世話は「実を収穫している時期」と、「収穫が終わって来年の準備をする時期」の2つのフェーズに分かれます。
この時期に合わせて、伸びてくるツルに対する接し方を変えてあげるのが、失敗しないための大きなポイントになるんです。

ランナーとは?
いちごの株元にある「クラウン」から伸びてくる細長いツルのことを、園芸用語で「ランナー」と呼びます。
このランナーの先に新しい葉と根ができ、それが独立した「子株」になっていくんですね。

収穫中の春から初夏にかけては、「見つけたら早めに切る」のが基本とされています。
実を大きく甘くするためにも、週に1〜2回程度は株元を見回して、新しく伸びてきたランナーをチェックしてあげましょう。
このとき、手で無理に引きちぎると親株を傷めて病気の原因になることがあるため、必ず清潔なハサミを使って株元近くでカットしてあげてくださいね。

一方で、収穫が終わった後の初夏から秋にかけては、良い苗を取りたい株だけを選んで「切らずに伸ばして子株を作る」という真逆のお世話になるんですね。
これって、なんだか不思議で面白いですよね。

1年を通したお世話のサイクル

全体の見通しが立つと、毎日の水やりやお手入れもぐっと楽しくなりますよね。
ここでは、春から秋にかけてのランナー管理のスケジュールを、わかりやすく表にまとめてみました。

季節と時期 いちごの状態 ランナーのお手入れ方法
春〜初夏
(3月〜6月頃)
花が咲き、実がなり、収穫が続く時期。 伸びてきたランナーは見つけ次第すべてカットします。
実に栄養を集中させます。
初夏〜夏
(6月〜8月頃)
収穫が終わり、株が休んだり成長したりする時期。 来年用の苗を取るため、元気な親株のランナーをポットに固定して子株を作ります。
秋
(9月〜10月頃)
気温が下がり、過ごしやすくなる時期。 十分に育った子株のランナーを親株から切り離して独立させ、定植します。

このように、季節に合わせていちごの気持ちに寄り添ってあげると、きっと美味しい実も、元気な苗も両方手に入れることができるかもしれませんね。

なぜタイミングが重要?ランナーを切る理由

いちごのお世話をしていると、タイミングの重要性に気づく場面がたくさんありますよね。
ここでは、なぜその時期にランナーを処理するべきなのか、その理由を詳しくお伝えしますね。

収穫中のランナーは養分を奪ってしまうんです


春になって可愛い白い花が咲き、やがて緑色の実が赤く色づいていく姿は、毎日の観察が本当に楽しみになりますよね。

いちごは、お花が受粉してから実が完熟するまでに、およそ40日〜50日という長い時間をかけると言われています。
この期間、いちごの株は一生懸意に土から水分や養分を吸い上げて、そのすべてを「甘くて大きな実」を作るために使おうとしているんですね。

ところが、同じタイミングでランナーが伸びてしまうと、どうなると思いますか?
実は、せっかく吸い上げた大切な養分が、実ではなくランナーを伸ばすために使われてしまうんです。
その結果として、実が小さくなってしまったり、収穫できる量が減ってしまったりすることがあるんですね。
だからこそ、収穫中は「ランナーは見つけ次第、早めにカットする」のが鉄則とされているんです。

秋の涼しい時期が子株の自立に最適な理由

収穫が終わって夏が近づくと、いよいよ来年用の苗作りが始まります。
ランナーを伸ばして子株ができても、「いつ親株から切り離せばいいの?」と気になりますよね。

子株ができるのは主に6月〜8月の暑い時期ですが、切り離すのは少し待って、秋の気温が20℃を下回った頃を目安にすると失敗が少ないと言われています。

真夏の炎天下は、私たち人間にとっても厳しい季節ですよね。
小さな子株にとっても同じで、暑い時期に植え替えや切り離しをすると、ストレスが大きすぎて根が傷んだり、枯れてしまったりしやすいんです。
さらに、根っこが土に定着したあとも2週間ほど待ってから切り離すと、株がより安定して自立できるようになります。
少し涼しくなってからの方が、根が落ち着いて再生しやすくなるので、安心してお世話ができますね。

失敗しない子株の育て方!3つの具体例とステップ

ここからは、実際に来年用の苗を作るための具体的な手順をご紹介します。
ちょっとしたコツを押さえるだけで、失敗を防ぐことができるんですね。

元気な親株と子株の選び方のコツ


良い苗を作るためには、まず「どの親株からランナーを伸ばすか」を決めることが大切です。
病気が出ていなくて、春に実付きが良かった元気な株を選ぶと、次世代の子株もスクスク育ちやすいとされています。

そして、伸びてきたランナーの先には、等間隔でいくつもの子株ができていきます。
親株に一番近いものから順番に「第1子株」「第2子株」「第3子株」と呼ぶのですが、どれを残すか迷ってしまいますよね。

子株の選び方
一般的には、親株の病気を受け継いでいる可能性が低いとされる「第2子株」以降が良いと言われることが多いです。
ただし、病気のない元気な親株であれば、親株に近い第1子株・第2子株は特に太く育つため、優れた苗になることもあります。
一方で、第4子株以降はだんだんと株の力が弱くなりやすいため、苗取りには第2〜第3子株を優先して選ぶのがおすすめです。

残す子株の目安としては、茎の太さが直径3mm以上あってしっかりしていること、そして葉っぱの枚数が4〜5枚程度まで増え、虫食いや変色が少ないものを選ぶと安心です。

ポットを使った上手な子株の受け方


元気な子株を見つけたら、今度はその子株にしっかりと根を張ってもらうための準備をします。この作業を「子株を受ける」と言うんですね。

用意するのは、3〜9cm程度の小さなポリポットと、いちご用の培養土です。
ポットに土を入れてしっかりと湿らせたら、ランナーの膨らんだ部分(葉っぱの付け根)をそっと土の上に乗せます。
このとき、風で動かないようにUピンや専用の固定ピンで優しく固定してあげるのがポイントなんです。
もし専用のピンがなければ、文房具のクリップをU字に曲げて代用することもできるんですよ。

水はけと保水性のバランスが良い専用の土を使えば、根張りが良くなり、元気な子株が育ちやすくなります。
ふかふかの土で育てた苗は、来年の春に驚くほど甘い実をつけてくれるかもしれませんね。

栄養たっぷりのいちご専用土で、失敗知らずの苗作りをスタートしてみましょう!
👉いちご専用培養土の最安値を見てみる

固定した後は、土の表面が乾いたらお水をあげるようにして、極端な乾燥を防いで見守ってあげてくださいね。

親株から切り離すベストなタイミング

ポットで子株を育てていると、少しずつ大きくなっていく姿が愛おしくなってきますよね。
でも、ここで焦ってはいけません。子株がしっかりと自立できる準備が整うまで、親株とのつながりであるランナーは切らずに残しておくんです。

切り離しに失敗しないための条件を、わかりやすい表にまとめてみました。

チェック項目 具体的な目安
根の張り具合 ポットの底穴から白い根が見え始めている。長さの目安として根が3cm以上伸び、株がぐらつかなくなった頃。
葉っぱの枚数 丸くない、しっかりとした形の本葉が4〜5枚程度ある。
定着期間 土に根が降りてからさらに2週間ほど経過し、成長が安定している。
季節と気温 夏の暑さが和らぎ、秋の気温が20℃を下回った頃。

これらの条件がすべて揃ったら、いよいよ親株からの卒業です。
切る位置にも大切なコツがあって、親株側のランナーは子株から2〜3cm残して切るようにしましょう。
これには深い理由があって、いちごは「ランナーと反対側に花が咲き、実がつく」という性質があるんです!
あえてランナーの切り残しを作っておくことで、植え付けのときに「こちらを外側に向けよう」という素晴らしい目印になってくれるんですね。

作業をするときは、病気の伝染を防ぐために、必ず清潔なハサミを使うことが大切です。
作業の前後で刃をアルコールなどで消毒してあげると、さらに安心ですね。

プランター栽培や夏越しの注意点

ベランダなどの限られたスペースで育てる場合、少しだけ気をつけたいポイントがあるんです。
夏の厳しい環境を乗り越えるためのヒントも一緒に見ていきましょうね。

プランター栽培ならではのポイント


プランターでのいちご栽培は、手軽に始められて毎日の観察もしやすいので、とても人気がありますよね。
ただ、地植えの畑と比べると土の量が少ないため、どうしても水切れや肥料切れの影響を受けやすいという特徴があるんです。

そのため、収穫中は特に「伸びてきたランナーはすべて切る」という基本をしっかり守ることが、甘くて大きな実を作るための近道とされています。

また、苗を取るために残す親株の数も、ご家族の人数分プラス予備くらいに絞っておくと、プランターでも無理なく管理ができて失敗も減ると思いますよ。
たくさん欲張らずに、少しの株に愛情を注いであげるのが成功の秘訣かもしれませんね。

夏の暑さから子株を守る工夫

子株を育てている夏の時期は、直射日光と高い気温が一番の心配事ですよね。
小さなポットの中で育つ子株の根っこは、強い日差しで土の温度が上がりすぎると、大きなダメージを受けてしまうんです。

これを防ぐためには、風通しが良くて、午後からは日陰になるような「半日陰」の場所にプランターやポットを移動させてあげるのがおすすめです。
もし移動が難しい場合は、園芸用の寒冷紗(かんれいしゃ)などを被せて、少しだけ日差しを和らげてあげるだけでも、子株たちはホッと一息つけるはずですよ。

そして、切り離したあとの子株をプランターに定植するときにも、大切なポイントがあります。
それは、「クラウン」と呼ばれる葉っぱと根っこの境目部分を、絶対に土に埋めないことです。
ここが土に埋まってしまうと、新しい葉っぱが出にくくなったり、最悪の場合は腐ってしまったりするので、浅植えを意識してみてくださいね。

クラウンとは
いちごの株元にある、少し膨らんだ王冠(クラウン)のような形をした部分です。
ここから新しい葉や花が生まれてくる大切な成長点なので、土に埋もれないように浅く植えるのが鉄則です。

いちご栽培でよくある質問(FAQ)


いちごを育てていると、ちょっとした疑問が湧いてくることってありますよね。
ここでは、多くの方が気になっている疑問にわかりやすくお答えしていきます。

  • Q. ランナーを切るのが早すぎるとどうなりますか?
    根っこが十分に伸びていないうちに親株から切り離してしまうと、自分で水分や養分を吸い上げることができず、すぐに萎れて枯れてしまうことが多いんです。
    焦らずに、ポットの底から白い根が見え、株そのものがしっかり安定するまで待ってあげてくださいね。
  • Q. 収穫中だけど、苗も欲しいからランナーを伸ばしてもいいですか?
    もしランナーを伸ばしてしまうと、実が小さくなったり味が落ちたりする原因になってしまいます。
    収穫を優先したい年は「収穫中はすべて切る」、苗をたくさん取りたい年は「特定の親株だけ苗取り用に決めて、実の収穫は諦める」というように、目的を明確に分けるのが成功の秘訣ですよ。
  • Q. ハサミを使わずに手でランナーを切ってもいい?
    手でちぎろうとすると、ランナーの繊維が強くて親株の本体まで剥けてしまうことがあります。
    株元を傷つけるとそこから病気が入りやすくなるので、必ず清潔なハサミでスパッと切るようにしましょう。
  • Q. 収穫期のランナーチェックはどのくらいの頻度ですればいい?
    いちごの成長は意外と早いため、週に1〜2回程度の頻度で見回ってあげるのが理想的です。
    こまめにカットすることで、常に実に栄養が集中する状態をキープできますよ。
  • Q. 苗が増えすぎて、どの株がどれかわからなくなりました。
    苗取りの際は、親株の品種や子株の順番(第1、第2など)を書いたラベルをポットに立てておくのがおすすめです。
    後から定植するときに「あの子株が一番元気だったな」とすぐにわかって安心ですよ。

まとめ:いちごのランナーを切るタイミングと失敗しない子株の育て方

ここまで、いちごのランナーの扱い方や、来年に向けた元気な子株の育て方について一緒に見てきました。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしておきましょうね。

  • 収穫中の春〜初夏:伸びてくるランナーは見つけ次第、週1〜2回のペースで早めにカットして、実に養分を集中させます。
  • 収穫後の初夏〜夏:元気な親株のランナーを伸ばし、ポットに固定して発根を促します。
  • 切り離しのタイミング:根がしっかり張り、本葉が4〜5枚以上になり、発根後2週間ほど経ってから(秋の気温が20℃以下に下がった頃)を目安にします。
  • 植え付けのコツ:ランナーを2〜3cm残して切り、それを目印に実のなる方向(ランナーと反対側)を意識して植えます。
  • 定植の注意:クラウンを土に埋めないように浅植えにし、夏場は直射日光を避けて涼しく管理します。

この流れを押さえておけば、「いつ切るか」「どの子株を残すか」で迷うことも少なくなり、翌年のいちご作りもきっと安定してくるはずです。
今年の収穫を存分に楽しみながら、来年のための準備も少しずつ進めていけるといいですね。

いちごの栽培は、手間をかけた分だけ、甘くて美味しい実でしっかりと応えてくれます。
小さな苗が育っていく様子を眺める時間は、心も豊かにしてくれる素敵な時間ですよね。

この記事を参考にしながら、ぜひあなたのお庭やベランダでも、自信を持ってランナーのお手入れに挑戦してみてください。
きっと来年の春には、ご家族みんなが笑顔になるような、最高のいちごがたくさん収穫できますよ。
これからも、楽しい家庭菜園ライフを応援していますね!

\土の力を引き出す、菌根菌のチカラ【生きてる肥料】/

※専門知識ゼロでOK!根っこがどんどん伸びる魔法のひと手間