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トマトの葉や実に見られる、気になる斑点。「もしかしたら低温障害のサインかも…」とご心配ではありませんか?

この記事では、気になる低温障害の症状を写真でわかりやすく解説。斑点の見分け方から回復対策、そして葉や果実の変化が何度から起こるのか、具体的な温度の目安まで詳しくお伝えします。

トマトの低温障害で起きる葉の斑点とは?

トマトを畑で栽培
トマトを大切に育てていると、葉や実に予期せぬ斑点が現れて「これは何だろう?」と不安になることがありますよね。

ちゃぼちゃぼ

私も家庭菜園を始めて5年以上になりますが、こんな症状は初めてでめちゃくちゃ焦りました….。でも心配しないでくださいね。しっかりこのあと解説します。


結論から言えば、トマトの低温障害で起きる斑点とは、トマトが低温ストレスにさらされることによって細胞の機能が低下したり、色素に異常が生じたりすることで発生する「生理障害」の一種です。これは、病原菌や害虫の仕業とは根本的に異なります。

理由としては、トマトは元々暖かい気候(南米のアンデス高原)を好む野菜であり、一定以下の温度に長時間さらされると、その生育機能に様々な不調をきたします。具体的には、光合成能力の低下、水分や養分の吸収・移行の阻害、細胞膜の損傷などが起こり、その結果として葉や果実に目に見える形で斑点などの症状が現れるのです。この斑点は、トマトが発するSOSサインと捉えることができます。

トマト低温障害の症状を写真で確認!見逃せない初期サイン

トマトの低温障害の症状
トマト栽培で注意したい低温障害。その初期サインを見逃さず、早期に対処することが、健全な生育と収穫量を確保する上で非常に重要です。特に低温障害では株の下側や葉先に集中して現れ上部の方には一切症状は出ていません。
トマトに出た低温障害
実際に起こった低温障害を解説している動画を見つけましたので、ご自身のトマトと見比べてみて下さい。これが低温障害の症状です。

注意

低温障害は「斑点病」と似ているので見間違えないように!私は斑点病と思い「ダコニール」という農薬を撒いてしまいました。でもこのダコニールはすごく万能な農薬で登録数も多く今回のように間違って使ってしまっても「予防」という形でも、非常に効果があるとメーカーも言っておりますので安心して使うことができます。



1本持っていればとても便利です。家庭菜園用であれば小さいサイズの方で十分すぎるくらい量があります。

トマトの低温障害からの回復は可能?対策は?

トマトの低温障害が発生
トマトが低温障害を受けた場合、株全体としての生育を回復させ、新しい健全な葉や実を育てていくことは可能ですが、残念ながら一度低温によって深刻なダメージ(著しい変色、乾燥、組織の壊死など)を受けた葉自体が、完全に元の状態に再生することはありません。 重要なのは、ダメージの拡大を防ぎ、株の生命力を維持し、新たな成長を促すための迅速かつ適切な対策を講じることです。

理由としては、低温によって葉の細胞が物理的・生理的な損傷を受けると、その部分の組織は不可逆的な変化を遂げてしまうためです。しかし、株自体が持っている生命力や、茎頂やわき芽などの成長点が生きていれば、環境を改善することで新しい葉を展開し、生育を再開することができます。つまり「株の回復」「損傷した葉の回復」は分けて考える必要があります。

どうしても低温障害を受けた葉は「光合成能力」が落ちます。そこを補うために全体のバランスを見ながら、わき芽を摘まずにそのまま成長させることで低温障害を受けた葉の代役として使うことで、元気に株を成長させることができますのでそこまで心配することはありません。

低温障害の対策は保温と環境改善を最優先

トマトに行灯をかけて保護する

ちゃぼちゃぼ

私の畑のトマトは4月24日に植え付けして「行灯(あんどん)」をして5月1日にトマトが大きくなって来たこともあり、行灯を外したのですがまだまだ5月上旬の夜は肌寒かったせいで、この低温障害にかかったと思います。やはり5月中旬くらいまでは行灯は外さないほうが無難ですね。

  • 迅速な保温: まず、これ以上低温にさらされないように、ビニールトンネル(行灯)や不織布で覆う、可能であれば暖かい場所に移動するなどして保温します。夜間の冷え込み対策は特に重要です。
  • 地温の確保: マルチング(黒マルチや敷きわら)で地温を維持し、根へのダメージを軽減します。
  • 日照の確保: 回復には光合成が不可欠です。保温材で光を遮りすぎないよう注意し、日中は適度に日光が当たるようにします。
  • 適切な水やり: 低温時は根の活動が鈍っています。土の表面が乾いてから、水の与えすぎに注意して行います。特にトマトは水の入れすぎは味も水っぽくて美味しくありません。過湿は根腐れを招き回復を妨げます。

損傷した葉の適切な処置

  1. ひどく傷んだ葉の除去
  2. 明らかに変色し枯れてしまった葉や、組織がドロドロになっているような葉は、回復が見込めないだけでなく、病害の原因となることがあります。清潔なハサミで速やかに切除しましょう。これにより、株のエネルギーを新しい芽や健康な部分の維持に集中させることができます。

  3. 軽微なダメージの葉
  4. 色が少し薄くなった程度の葉であれば、環境改善によってそれ以上の悪化を防ぎ、ある程度機能を維持できる場合もあります。無理に全て取り除く必要はありませんが、状態をよく観察しましょう。

トマト低温障害は何度から発生する?

温度計が低温を示す
トマトの低温障害は、品種や生育段階によって差はありますが、一般的に概ね10℃を下回ると発生のリスクが高まり、特に5℃以下の低温に長時間さらされると深刻な影響が出始めると考えられています。

理由としては、トマトが元々ナス科の野菜で、温暖な気候を好む性質があるためです。一定の温度以下になると、トマト自身の生命活動が鈍くなり、様々な生理的な不調が生じます。具体的には、光合成能力の低下、根からの水分や養分を吸い上げる力の弱まり、そして細胞レベルでの活動停滞などが挙げられます。これらが複合的に作用し、目に見える形での障害として現れてくるのです。

特に注意が必要なのは、昼夜の寒暖差が大きい時期や、急激な温度低下があった場合です。人間も急な環境変化に体調を崩しやすいように、トマトもまた、ゆっくりとした温度変化よりも急激な低温にさらされることで、より大きなストレスを感じ、障害が発生しやすくなります。

トマトの生育に適した温度とは?

そもそもトマトが元気に育つためには、どのくらいの温度が必要なのでしょうか?理想的な生育温度を知ることで、低温障害への理解も深まります。

  1. 昼間の適温: 20~30℃程度
  2. 夜間の適温: 10~15℃程度
  3. 地温の適温: 15~25℃程度

この温度帯を大きく下回る状況が続くと、生育不良や低温障害のリスクが高まります。特に夜間の温度が10℃を継続して下回るようになると、注意が必要なサインと捉えましょう。

生育ステージ別の低温への注意点

トマトの生育ステージによっても、低温に対する感受性は異なります。

  • 育苗期: 苗が小さいうちは特に低温に弱く、5℃以下の低温に数時間遭遇しただけでも、生育が著しく悪化したり、最悪の場合枯れてしまったりすることがあります。定植時の最低気温には十分な注意が必要です。
  • 開花・着果期: この時期の低温は、花粉の機能や受精能力を低下させます。その結果、花が落ちてしまったり(落花)、うまく受精できずに実がつかなかったり(着果不良)、形がいびつな果実(奇形果)になったりする原因となります。
  • 果実肥大期・成熟期: 果実が大きくなる時期や色づく時期に低温にあうと、果実の肥大が遅れたり、均一に色づかなかったり(着色不良)、糖度が上がりにくくなったりします。また、急激な温度変化は裂果を引き起こすこともあります。

このように、トマトの低温障害は単純に「何度から」というだけでなく、様々な要因が絡み合って発生します。日頃から天気予報をチェックし、トマトの様子をよく観察することが、早期発見と対策への第一歩と言えるでしょう。

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